2026.07.02 更新

礼文島・利尻島キャンピングカーで行く離島旅ガイド|フェリー車両航送・費用・注意点【2026年版】

礼文島と利尻島は、北海道最北端の離島だ。稚内港からフェリーで2〜4時間、海の向こうに浮かぶ利尻富士の姿が近づいてくる瞬間は、どんな旅のプロローグよりも印象的だ。島には自分のキャンピングカーを持ち込むことができる。宿の空き状況を気にせず、島内を自由に移動して、高山植物の群生やオタトマリ沼、礼文のトレッキングコースを自分のペースで巡れる。それがこの旅の核心だ。

ただし、本土と離島を結ぶフェリーへの車両航送は、通常のカーフェリーと違うルールが複数ある。運賃の構造、予約のタイミング、欠航リスク、島内の燃料・食料事情。事前に把握しておかなければ、旅程が崩れることも十分ある。このガイドでは、礼文島・利尻島にキャンピングカーで渡るうえで必要な実務的な情報を、項目ごとに整理した。

なお、レンタルキャンピングカーを利用する場合、多くのレンタル会社の約款にはフェリー航送を禁止する規定がある。この旅は自家用のキャンピングカーを持ち込む前提で読んでほしい。

離島にキャンピングカーで渡る価値と注意点

礼文島・利尻島をキャンピングカーで旅する最大のメリットは、移動の自由度だ。島内の観光スポットは点在しており、バス路線は本数が限られている。レンタカーを借りるという選択肢もあるが、自分の車で渡れば食料・寝具・調理器具をすべて積んだまま移動でき、宿を手配する手間もかからない。特に礼文島は島の北端まで路線バスが1日数本しかない区間もあるため、自走できる環境は旅の質を大きく変える。

一方で、注意すべき点がいくつかある。まず欠航リスクだ。礼文・利尻航路はとりわけ風の影響を受けやすく、夏でも天候が崩れると欠航や出港遅延が発生する。旅程の前後に1日以上のバッファを設けておかないと、帰宅日や次の予定が崩れる。「今日絶対に戻らなければならない」という日程は組まないほうがいい。

次にレンタルキャンピングカーの制約。ハイエース改造車から大型キャブコンまで、道内の多くのレンタル会社は「フェリー航送不可」を約款で定めている。車両保険の適用外になる可能性があるためだ。離島に持ち込めるのは自家用車に限ると考えたほうがよい。この記事を読んでいるレンタカー利用者は、ハーバーの前で渡航をあきらめることのないよう、事前に必ず確認してほしい。

また、島内は本土と比べて商業施設が圧倒的に少ない。燃料・食料・日用品は稚内で調達しておくこと。これは後の章で詳しく触れる。

稚内〜礼文・利尻フェリーの車両航送料金・予約・車長制限

礼文島・利尻島へのフェリーはハートランドフェリーが運航している。稚内港を出発し、利尻島の鴛泊港(おしどまりこう)または礼文島の香深港(かふかこう)に到着する。所要時間は稚内〜鴛泊が約1時間40分、稚内〜香深が約2時間で、稚内〜鴛泊〜香深と両島を経由する便もある。

車両航送料金は車の全長で段階的に上がる。2026年時点の目安は以下のとおり(繁忙期・シーズンにより変動あり。必ず公式サイトで最新料金を確認すること):

車長区分稚内〜鴛泊(利尻)稚内〜香深(礼文)
4m未満約14,000〜16,000円約16,000〜18,000円
4m以上6m未満約20,000〜24,000円約22,000〜26,000円
6m以上約32,000〜38,000円約34,000〜40,000円

キャンピングカーの多くは全長5〜7mに収まるが、大型キャブコン(ジョイポップ・クレソン系)は6m前後になることが多く、わずかに6mを超えると料金が一段跳ね上がる。自分の車の全長は車検証で確認し、余裕をもって申告すること。申告と実測が異なると乗船を拒否される場合がある。

旅客運賃は別途かかる。稚内〜利尻島が大人2,700円前後、稚内〜礼文島が大人3,200円前後(2等)。往復利用の場合は往復割引が適用される。両島を周遊する際は、利尻島〜礼文島間の直行便も運航しているため、稚内に戻らずに島間を移動することもできる。

予約は必須だ。車両航送枠は旅客席より早く埋まる。夏(7〜8月)の週末・盆期間は数週間前から満席になることがある。ハートランドフェリーの公式サイトか、電話(0162-33-7000)で早めに予約を入れること。予約変更は乗船前日まで無料で受け付けることが多いが、キャンセルポリシーは時期により異なる。

稚内港フェリーターミナルには車両待機スペースがあり、乗船の1時間前までに到着して並んでおく必要がある。大型車は案内員の誘導に従い奥から順番に積み込まれる。ターミナル内に飲食スペースや土産店があるため、待機中に時間をつぶすことができる。

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利尻島の見どころ(利尻富士・オタトマリ沼)

利尻島は周囲約63kmの円形に近い島で、中央にそびえる利尻山(利尻富士)が島全体の骨格を成している。標高1,721mの独立峰は海上から見ると完全な三角形に近く、晴れた日に礼文島や稚内から眺めると息をのむ美しさだ。フェリーで接近するにつれて山容が大きくなる体験は、利尻旅行で記憶に残る場面の一つだ。

島内のドライブは鴛泊港を起点に時計回りか反時計回りで一周できる。一周は約40kmで、のんびり走っても2〜3時間あれば主要スポットを回れる。道路は舗装されており、キャンピングカーでも走りやすい。ただし山岳エリアへ入る道の一部は急坂・幅員狭小区間があるため、大型車は手前の駐車スペースに停めて徒歩で向かうほうが無難だ。

オタトマリ沼は島の南部にある湿原の沼で、水面に利尻富士が映り込む絶景ポイントとして知られる。駐車場は大型車対応で無料、売店・トイレも整備されている。午前中は逆さ富士が見やすく、風のない日は水鏡のような静寂な景色に出会える。沼の周囲を一周する遊歩道は約20分でゆっくり歩ける距離だ。

南浜湿原や姫沼もドライブコースに組み込みやすいスポットだ。姫沼は鴛泊港から車で10分ほど、沼沿いの遊歩道をぐるっと一周できる。早朝はカモや水鳥が多く、静けさの中で島の空気を感じるのに向いている。

利尻山の登山を予定するなら、前泊の車中泊と組み合わせる計画が合理的だ。登山口は鴛泊ルートと沓形ルートがあり、山小屋はなく避難小屋があるのみで日帰り登山が基本になる。標準コースタイムは往復8〜10時間。早朝4〜5時台にスタートするのが一般的で、前日に登山口駐車場付近で車中泊しておくとスムーズだ。利尻山は7〜8月でも山頂付近の気温が低く、風が強い日は体感温度が一気に下がる。防寒・防風装備は必ず持参すること。

利尻島のグルメとしては、ウニが外せない。礼文・利尻のウニは全国的にも評価が高く、7〜8月が最盛期だ。鴛泊港近くの食堂や市場では、ウニ丼を1,500〜3,500円前後で食べられる店がある。生ウニの食べ比べをしたいなら、礼文島と利尻島の両方で試してみると違いがわかる。

礼文島の見どころ(高山植物・トレッキング)

礼文島は「花の浮島」と呼ばれる。海抜ほぼゼロメートルから300m前後の丘陵が続く島に、本来は高山帯にしか咲かないような植物が平地で見られる。北に位置するため夏でも気温が低く、高山植物が低地に降りてくることができる環境が整っている。島の総面積は81.3km²で、利尻島(182.1km²)の半分以下だが、観光コンテンツの密度は高い。

代表的な植物はレブンアツモリソウだ。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されており、世界的にも礼文島固有の希少な高山植物として知られている。自生地は立入りが制限されているが、北部の礼文島高山植物群落(うすゆきの里など)や専用の保護区で見学できる。見頃は6月上旬〜下旬。

トレッキングコースは島内に数本あり、難易度も距離も様々だ。代表的なのは礼文島縦走コース(岬めぐりコース)で、香深港近くのスコトン岬から南端のケシ岬、桃岩展望台を経由するルートは距離約20km、所要6〜8時間の健脚コースだ。島の西海岸をほぼ歩き通すこのコースは、海を見ながら花畑の中を歩く体験が連続し、北海道でも有数の質の高いトレッキングだ。

体力に自信がない場合は桃岩展望台往復(香深港から徒歩片道40〜60分)だけでも十分に絶景を楽しめる。展望台からは礼文島の丘陵と海が広がり、晴れた日には利尻富士も遠望できる。花の種類は6月中旬〜7月中旬が最も多く、この時期に合わせると高山植物の見応えが増す。

礼文島のトレッキングは舗装路ではなく登山道・草地が多いため、スニーカーではなくトレッキングシューズを履くことを強く勧める。風が強い日は岬付近でバランスを崩しやすい。また、コースの途中にトイレや売店がない区間が長いため、水と行動食をしっかり持参すること。6〜7月は霧が発生しやすく、晴れていても突然視界が悪くなることがある。天気予報と現地の状況を確認してからコースに入ること。

礼文島のもう一つの楽しみはスコトン岬だ。島の最北端に位置し、晴れた日はトドを見られることもある。岬の先には小さな岩礁が続き、北の海の果てに来たという感覚が強く残る。駐車スペースは小型車メインの設計で、大型キャンピングカーは岬の手前の広い路肩に停めて徒歩で向かうと安心だ。

礼文島での食事は香深地区に集中している。地元の食堂やウニ丼を出す店は香深港周辺に数軒ある。島内の食堂は11〜14時の昼営業のみで夜は閉まる店も多いため、昼食のタイミングを意識してスケジュールを組むとよい。礼文コンブは島の特産品で、土産物として人気がある。フェリーターミナル内の売店でも購入できる。

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島内の車中泊・キャンプ場・給水・燃料事情

礼文島・利尻島ともに、キャンプ場は整備されている。ただし施設の数は本土のキャンプ場と比べて少なく、シーズン中は混雑する。

利尻島のキャンプ場では、鴛泊港近くの利尻島ファミリーキャンプ場「ゆ〜に」が温泉施設に隣接しており、入浴できる環境が整っている。サイトは芝生で、テント泊・車中泊いずれも受け入れている。南部の沓形地区には「沓形岬公園キャンプ場」があり、海岸に近い立地で利尻富士を眺めながら過ごせる。どちらも7〜8月は事前予約が望ましい。

礼文島のキャンプ場では、香深港近くの「桃岩荘YHキャンプ場(桃岩展望台駐車場周辺)」や「スコトンキャンプ場」が利用される。スコトンキャンプ場は島の最北端に近く、施設は簡易だが海が見える立地が魅力だ。炊事場・トイレは整備されているが、シャワー設備はない。

道の駅や公共駐車場での車中泊は、各施設の規則を事前に確認すること。鴛泊港周辺の駐車場は24時間解放されているが、長期滞在については地元の案内所に確認するのが礼儀だ。

給水については、キャンプ場の炊事場で補給できる。島内の公共施設(道の駅・キャンプ場・フェリーターミナル)に水道はある。ただし本土のように道の駅のRVポイントで自動給水できる設備は整備されていないため、炊事場での手動補給が基本になる。

燃料(ガソリン・軽油)は島内でも入れることができるが、スタンドの数は非常に限られている。利尻島には鴛泊と沓形に各1〜2か所、礼文島には香深地区に数か所ある程度だ。日曜・祝日の午後や早朝は閉まっていることが多い。稚内でフルに給油したうえで乗船し、島内では補充程度の利用と考えておくと安心だ。キャンピングカーの燃費は一般車より低いため、島内を何周かするだけでタンクが減る感覚を持っておくこと。

食料・日用品は稚内で調達してから乗船するのが基本だ。礼文島の香深地区には小さなスーパーが数軒あり、利尻島の鴛泊にも食料品店はある。ただし品揃えは限られており、価格も本土より高めだ。生鮮食品の品揃えが豊富な時間帯は午前中が多く、夕方に行くと棚が空になっていることもある。調味料・インスタント食品・缶詰類は多めに持参するほうが快適に過ごせる。

フェリー欠航時の対応として、島内に数日間とどまれる食料と水のストックを常に確保しておく考え方は重要だ。天候が崩れると連続欠航することもあり、「明日のフェリーで帰れれば大丈夫」という余裕の設計ではなく、2泊分の延泊に対応できる準備をしておきたい。

島内の温泉・入浴施設について補足しておく。利尻島では「利尻富士温泉」(鴛泊地区)が日帰り入浴に対応しており、キャンピングカー旅行者も多く利用している。礼文島では香深港近くに銭湯・シャワー施設があるが、規模は小さく混雑時は待つこともある。シャワーが使えない日はウェットティッシュでの清拭で対応する、という割り切りも島旅の一部だ。

携帯電話の電波はdocomoが最も広くカバーしているが、島の北端(礼文島のスコトン岬周辺)や山間部では圏外になることがある。ナビアプリはオフラインマップを事前にダウンロードしておくと、電波のないエリアでも道を確認できる。紙の地図も一部印刷して持参すると安心だ。

よくある質問(FAQ)

レンタルキャンピングカーで礼文島・利尻島に渡れますか?

多くのレンタル会社の約款でフェリー航送が禁止されています。車両保険が適用されない可能性があるためです。利用予定のレンタル会社に必ず事前確認してください。航送が許可されているレンタル会社は北海道内でも非常に少なく、基本的には自家用キャンピングカーを持ち込む旅として設計してください。

キャンピングカーの全長が6mを超えると料金はどれくらい違いますか?

6m以上の区分は6m未満に比べて片道1万円以上高くなることが多く、往復で2万円以上の差が生じます。自分の車の全長は車検証の「全長」欄で確認できます。車体後部にキャリアや自転車ラックを装着している場合は、それを含めた実際の長さで申告してください。

フェリーが欠航するとどうなりますか?

欠航の場合は乗船料・車両航送料ともに払い戻しされます。ただし、次便の空きが保証されるわけではなく、車両航送枠が埋まっていれば翌日以降の便への変更が必要になります。旅程の前後に1日以上余裕を設けておくことを強くおすすめします。欠航情報はハートランドフェリーの公式サイト・SNS・電話で確認できます。

利尻島と礼文島を両方まわる順番は?

一般的には「稚内→利尻島(2〜3泊)→礼文島(2〜3泊)→稚内」の順か、その逆です。利尻島〜礼文島の直行便があるため、稚内に一度戻る必要はありません。利尻富士の登山を旅程の前半に組み込む場合は、体力的な余裕を考えると利尻島を先にする計画が向いています。天候による柔軟な変更ができるよう、移動日に余裕を持った計画を立ててください。

稚内までのアクセス・所要時間は?

新千歳空港から稚内までは、高速道路(道央道→旭川北IC)と国道40号を使って約6時間(約340km)。途中、旭川や名寄でガソリンを補給し、稚内市内でフル給油してからフェリーに乗ることをおすすめします。稚内に1泊してから翌朝のフェリーに乗る計画が体力的に楽です。稚内市内には道の駅「わっかない」があり、車中泊者の利用も多い拠点です。

礼文島・利尻島の観光に適した季節はいつですか?

キャンピングカーで訪れるなら6月〜8月が最適です。6月はレブンアツモリソウや高山植物の最盛期で、観光客はまだ少なく快適です。7〜8月はウニの旬とトレッキングシーズンが重なりますが、フェリーの車両枠が特に混み合います。9月以降は花が終わり観光客も減りますが、利尻富士の紅葉が始まり、空いた島をゆっくり楽しめます。冬期(11〜4月)は航路が大幅に減便され、キャンプ場も多くが閉鎖されます。

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著者情報

コンテンツ作成日: 2026-07-02 / 最終更新日: 2026-07-02

執筆・監修: 北海道キャンピングカーレンタル事務局

確認方針: 公式情報優先 / 不明値は断定しない / 変更は順次更新

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