北海道キャンピングカー旅、ガソリンスタンド事情|給油計画と地方部の注意点【2026年版】
北海道のキャンピングカー旅で本州との一番の違いは、給油所の間隔だ。経済産業省北海道経済産業局と資源エネルギー庁が公表しているデータによると、道内の給油所(ガソリンスタンド)数は2010年度の2,081か所から2023年度には1,668か所まで減少している。資源エネルギー庁は市町村内の給油所数が3か所以下の自治体を「SS過疎地」と定義しており、この10年で全国のSS過疎市町村数は約100増え、令和5年度末時点で372市町村(全1,718市町村中)に達している(経済産業省資源エネルギー庁「SS過疎地対策について」、2026-08-27確認)。市街地では困らなくても、道東・道北の郡部に入ると「次の給油所まで何十kmもある」という状況が実際に起こりうる。
この記事では、北海道でキャンピングカーを借りて周遊する場合の給油計画の立て方と、特に給油所が少ない地方部で注意しておきたい点をまとめた。数値は資源エネルギー庁・経済産業省北海道経済産業局の公表資料をもとにしており、市町村単位の詳細な該当状況は該当資料で個別に確認できる。返却直前の給油ルールについては返却前チェックリストで扱っているため、本記事では旅の道中の給油計画に絞って説明する。
北海道は本当に給油所が少ないのか
結論として、都道府県単位で比較すると北海道は給油所が少ないというより「1か所あたりがカバーする面積が広い」地域にあたる。経済産業省の集計では、道内の給油所数は2020年度の1,750か所から2023年度には1,668か所へと3年間で82か所減少している(enecho.meti.go.jp、hkd.meti.go.jp公表資料、2026-08-27確認)。全国的にも給油所数は減少傾向にあるが、北海道は面積が広いぶん1か所がカバーする範囲が本州の同規模都道府県より大きくなりやすい。「SS過疎地」(市町村内の給油所数が3か所以下の自治体)は全国で372市町村(令和5年度末時点)あり、この10年で約100市町村増えている(経済産業省資源エネルギー庁「SS過疎地対策について」、2026-08-27確認)。都道府県別の内訳は同資料では公表されておらず、道内のどの市町村が該当するかまでは確認できていないが、道東・道北の郡部は給油所間隔が広くなりやすいため、走行予定のルート上に給油所が少ない区間が含まれるかどうかは事前に確認しておいたほうがいい。
給油所が少ないのはどのエリアか
札幌・新千歳空港周辺、函館、旭川といった主要都市圏では給油所の間隔が本州の都市部と大きく変わることはない。注意が必要なのは、道東(釧路・根室・十勝の郡部)と道北(宗谷・上川北部)の一部で、集落と集落の間が数十kmにわたって給油所がない区間がある。道北エリアの周遊ルートについては道北・美深・名寄キャンピングカー旅ガイドでも紹介しているが、このエリアを含む長距離ルートを組む場合は、出発前にカーナビや地図アプリで走行区間上の給油所の位置をあらかじめ確認しておく必要がある。日中は営業していても夜間・早朝は閉まっている給油所も郡部には多いため、営業時間の確認も合わせて必要になる。
道内給油所数の推移
| 年度 | 北海道内の給油所数 |
|---|---|
| 2010年度 | 2,081か所 |
| 2020年度 | 1,750か所 |
| 2021年度 | 1,736か所 |
| 2022年度 | 1,707か所 |
| 2023年度 | 1,668か所 |
出典: 資源エネルギー庁「揮発油販売業者数及び給油所数」(enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/distribution/hinnkakuhou/250730.html)および経済産業省北海道経済産業局の公表資料(2026-08-27確認)。13年間で413か所、約2割減少しており、この傾向は今後も続く可能性がある。最新年度の数値や市町村別の詳細は、資源エネルギー庁の公表ページで随時更新されているため、正確な数字はリンク先の一次資料で確認してほしい。
満タン発進が鉄則な理由
レンタル会社の拠点(新千歳空港・帯広空港周辺など)を出発する時点で満タンにしておくと、その後の給油計画にかなり余裕ができる。北海道は目的地までの直線距離が長く、観光で寄り道をするうちに想定より走行距離が伸びることが珍しくない。特に道東・道北方面へ向かう初日は、拠点周辺の給油所で満タンにしてから出発する習慣をつけておくと、給油所が少ないエリアに入ってから燃料残量に焦る事態を避けやすい。給油のタイミングは「残量が半分を切ったら次の給油所で入れる」を目安にしておくと、想定外に給油所が見つからない区間に入っても対応しやすくなる。
キャンピングカーの燃費と航続距離の考え方
キャンピングカーは車体が大きく車重もあるため、一般的な乗用車より燃費が悪化しやすい。燃費は車種・積載量・エアコンの使用状況によって大きく変わるため、本記事では具体的な燃費数値を断定しない。目安を知りたい場合は、レンタル契約時に会社へ燃料タンク容量とおおよその燃費を確認し、「満タンで走れる距離」を旅の初日に把握しておくと、給油計画が立てやすくなる。荷物を多く積んだ状態やエアコンを多用する真夏、暖房を使う早朝・晩秋は燃費が悪化しやすい点も踏まえ、余裕を持った給油タイミングを心がけたほうがいい。
深夜・早朝に給油できる?24時間営業の見分け方
札幌市内や新千歳空港周辺、旭川・函館といった主要都市には24時間営業のセルフ式給油所が複数あるが、郡部に入るほど営業時間が短くなり、日曜・祝日が定休日という給油所も珍しくない。深夜早朝の車中泊やロングドライブを予定している場合は、走行予定ルート上の24時間営業給油所の位置をあらかじめ地図アプリで確認し、営業時間外に燃料切れが近づかないよう給油のタイミングを前倒ししておくと安心できる。深夜・早朝のSA・PA車中泊を組み合わせる旅程については北海道のSA・PA車中泊ガイドも参考になる。
セルフ式とフルサービス、初めてでも迷わない選び方
北海道の給油所はセルフ式とフルサービス(有人)式が混在している。セルフ式は自分で給油ノズルを操作する必要があり、キャンピングカーの給油口の位置や燃料の種類(レギュラー・軽油)を事前に確認しておかないと、操作に戸惑うことがある。特にディーゼル車のキャブコン・バンコンは軽油を給油する必要があり、レギュラー・ハイオク用のノズルと間違えないよう給油機の表示をよく確認する必要がある。不安な場合はフルサービス式の給油所を選べば、スタッフに燃料の種類と満タンにしたい旨を伝えるだけで済む。郡部ではフルサービス式しかない給油所もあるため、どちらのタイプかは事前に判別できなくても、現地で標識を見て対応すれば問題ない。
電波が届かないエリアでの給油計画
道東・道北の一部区間では、携帯電話の電波が届きにくいエリアが存在する。地図アプリでリアルタイムに給油所を検索できない状況を想定し、出発前に走行予定ルート上の給油所の位置をオフライン地図やスクリーンショットで手元に残しておくと安心できる。フェリーで道内入りする場合の出発前準備は北海道内発着フェリー×キャンピングカー完全ガイド、高速道路を使った移動の際の料金体系は北海道の高速道路料金ガイドにまとめているので、長距離ルートを計画する際はあわせて確認しておきたい。
給油計画チェックリスト
出発前に次の項目を確認しておくと、給油所が少ないエリアでも慌てずに済む。
- レンタル会社拠点を出発する時点で満タンにしたか
- 燃料の種類(レギュラー・軽油)を契約書で確認したか
- 走行予定ルート上に給油所が少ない区間(道東・道北の郡部等)が含まれるか
- 該当区間の給油所の営業時間・定休日を確認したか
- 深夜早朝走行がある場合、24時間営業の給油所の位置を把握したか
- 電波が届きにくい区間に備え、給油所の位置をオフラインでも確認できるようにしたか
- 残量が半分を切ったら次の給油所で給油する、という目安を決めたか
まとめ|給油所が少ないエリアは「満タン発進」と「早めの給油」で備える
北海道内の給油所数は2010年度の2,081か所から2023年度には1,668か所まで減少している(enecho.meti.go.jp・hkd.meti.go.jp公表資料、2026-08-27確認)。全国的にも「SS過疎地」(給油所数3か所以下の市町村)はこの10年で増加傾向にあり、道東・道北の郡部を含むルートでは給油所間隔が広くなりやすい。こうしたルートを組む場合は、拠点出発時の満タン発進、残量半分での早めの給油、走行区間上の給油所位置の事前確認の3点を押さえておくと、給油所が見つからず焦る事態を避けやすい。長距離ルートの全体的な計画は北海道キャンピングカーモデルコース完全ガイドも参考にしてほしい。
よくある質問
北海道でガソリンが切れそうになったらどうすればいい?
燃料残量の警告灯が点いたら、次の給油所まで距離があるエリアでは無理に走行を続けず、契約時に渡されたロードサービスの連絡先に連絡することを検討したほうがいい。事前に走行ルート上の給油所を確認し、残量が半分を切った時点で給油する習慣をつけておけば、切れそうになる事態自体を避けやすい。
道東・道北で特に給油所が少ないのはどのあたり?
釧路・根室・十勝の郡部や、宗谷・上川北部の一部に、集落間で給油所の間隔が広いエリアがある。経済産業省資源エネルギー庁は市町村内の給油所数が3か所以下の自治体を「SS過疎地」と定義しており、全国で372市町村(令和5年度末時点)が該当する。都道府県別の内訳は公表資料に含まれておらず、北海道内の該当市町村数は確認できていない(2026-08-27確認)。走行予定のルートに給油所間隔が広い区間が含まれるかは、出発前に地図アプリで個別に確認したほうがいい。
キャンピングカーはレギュラーと軽油、どちらを入れればいい?
車種によって異なる。ディーゼルエンジンのキャブコン・バンコンは軽油が必要で、ガソリンエンジンの軽キャンはレギュラーガソリンが必要になる。契約時に燃料の種類を必ず確認し、給油機の表示を見てから給油する必要がある。
深夜に給油できる場所はある?
札幌市内や新千歳空港周辺、旭川・函館などの主要都市には24時間営業のセルフ式給油所が複数ある。郡部では営業時間が短い給油所が多いため、深夜早朝の走行を予定している場合は事前に24時間営業の給油所の位置を確認しておいたほうがいい。
セルフ式の給油所は使ったことがなくても大丈夫?
燃料の種類(レギュラー・軽油)と給油口の位置を確認できれば操作自体は難しくない。不安な場合はフルサービス式の給油所を選び、スタッフに燃料の種類と満タンにしたい旨を伝えれば対応してもらえる。