2026.07.14 更新

日高・えりも岬キャンピングカードライブガイド|襟裳の風・サラブレッド街道と海沿い車中泊【2026年版】

サラブレッドが草を食む牧場風景、太平洋に突き出た風極の岬、浜で獲れたばかりの昆布とつぶ貝——日高からえりも岬まで太平洋側を南下するルートは、北海道の中でも「密度の濃い原風景」が続く区間です。距離は新千歳空港から終点のえりも岬まで約220kmですが、高速道路がないため下道メインで半日かかります。その「遠さ」ゆえに観光バスが少なく、キャンピングカーでゆっくり走るのに向いているエリアです。この記事では、日高・えりも岬エリアの走り方と車中泊の実務情報を、2026年時点の情報でまとめました。

日高〜えりもエリアの魅力とドライブ適性

日高地方は北海道の南東部に位置し、太平洋に面した沿岸と内陸の山地が組み合わさった地域です。新冠(にいかっぷ)・浦河・様似(さまに)・えりもの各町が海沿いに連なり、内陸の日高山脈に向かって牧場が広がっています。この地域がサラブレッドの産地として名高い理由は、日高山脈から流れ込む清流と、適度な雨量・気温の年較差にあります。国内のサラブレッドの約7割がこの地域で生産されており、道路沿いのいたるところに牧場フェンスと放牧中の馬が見えます。

エリアの南端がえりも岬です。北海道本島の最南端に近い位置にあり、太平洋に向かって細長い岬が突き出しています。「風極の地」と呼ばれるほど強風で知られ、年間260日以上が「風の日」(風速10m/s以上)という記録が残っています。その強風ゆえに砂漠化した土地を地域の人々が40年かけて緑に戻したという歴史があり、岬の丘の上には今も風衝林が続いています。

キャンピングカードライブの視点では、このエリアは「のんびり走って景色を消費するルート」ではなく、「牧場・岬・漁港を点で訪れながらじっくり過ごすルート」です。えりも岬から先(北側の道東・帯広方面)につなぐ場合は国道336号・236号で内陸に入ることになり、ルートの選択肢が広がります。帯広・十勝方面へ足を延ばす場合は、然別湖と十勝川温泉をキャンピングカーで巡る2泊3日ルートも使ってください。一方で、えりも岬で折り返して新千歳に戻る2泊3日のルートも成立します。

新千歳空港からのアクセスと所要時間

新千歳空港から日高方面へは、道東道・苫小牧東IC方面から国道235号(日高道の一般部)を南下するのが基本ルートです。日高自動車道(無料)が2024年時点で日高富川ICまで延伸されており、苫小牧西ICから日高富川ICまで約40分で走れます。その先、新冠・静内・浦河・様似・えりもは一般道(国道235号・国道336号)のみとなります。なお、出発拠点となる苫小牧・白老エリアの情報は苫小牧・白老キャンピングカーガイドにまとめているので、フェリー利用や前泊を検討している方は合わせて参照してください。

  • 新千歳空港 → 苫小牧東IC:約25分(道央道)
  • 苫小牧東IC → 日高富川IC:約40分(日高道、無料)
  • 日高富川IC → 新冠:約25分(国道235号)
  • 新冠 → 静内(新ひだか町):約25分
  • 静内 → 浦河:約35分
  • 浦河 → 様似:約30分
  • 様似 → えりも岬:約50分(国道336号経由)

新千歳空港からえりも岬まで、休憩なしで約3時間30分〜4時間が目安です。途中で牧場の景色を眺めながら走ると、半日コースになります。帰路は往路を戻るか、えりもから国道236号で広尾・帯広方面へ抜けるかの選択になります。

サラブレッド街道・優駿浪漫街道の走り方

日高地方を走るとき、地図上で「サラブレッド銀座」と呼ばれるエリアをよく見かけます。これは新冠町から新ひだか町静内にかけての国道沿いおよび内陸側の道路のことで、左右に牧場フェンスが続き、放牧中のサラブレッドが間近に見える区間です。また、浦河から様似にかけての区間は「優駿浪漫街道」の愛称がつけられており、太平洋と牧場の両方を同時に楽しめる独特の風景が続きます。

道路から眺めるのがマナー

牧場の大部分は私有地です。フェンスの外から眺めるのは問題ありませんが、敷地内への立ち入り・ゲートを開けての進入・馬への餌やりは厳禁です。これは馬の健康管理と防疫上の理由からも徹底されています。路肩に駐車して写真を撮ること自体は可能ですが、長時間の停車や複数台での路上停車は農作業車の妨げになるため、手短に済ませましょう。

牧場見学を希望する場合は、事前予約制の見学ツアーを実施している牧場を探すのが正解です。ノーザンホースパーク(苫小牧市)は一般向けに開放されており、乗馬体験や馬とのふれあいができる施設として知られています。日高地方の本格的なサラブレッド牧場への一般立ち入りは基本的に受け付けていないものの、毎年春に一部の牧場が特定イベントで公開することがあります。

立ち寄りポイント:新ひだか町静内の桜名所

新ひだか町静内は「二十間道路桜並木」で有名です。約7kmにわたって桜並木が続く道路で、5月上旬の開花時期には全国から花見客が訪れます。この時期にキャンピングカーで訪れる場合は、桜並木近くの臨時駐車場を利用してください。大型車対応の駐車スペースが設けられますが、混雑日は早朝入りが現実的です。桜の季節以外は静かな農道として走れるため、6月以降に訪れると桜並木の緑のトンネルをのんびり走れます。

浦河・様似でのショートストップ

浦河町には「うらかわ優駿ビレッジAERU(アエル)」があります。乗馬や牧場体験ができる施設で、日帰り利用・宿泊どちらも対応しています。キャンピングカーの駐車については事前に施設へ確認してください。様似町では「エンルム岬」が景色のよい休憩ポイントです。岬の先端まで歩いて登れる遊歩道があり、太平洋を一望できます。駐車場は無料で、普通乗用車・大型車ともに利用可能です。

えりも岬「風の館」と強風対策

えりも岬の先端部には「えりも岬風の館」があります。岬の突端近くに建てられた無料の展示施設で、えりもの強風と砂漠化の歴史、緑化プロジェクトの記録が展示されています。施設内には「体験風洞」があり、実際に秒速20m・25m・30mの風を体験できます。えりもに来たなら一度体験してほしい場所です(無料、開館時間は季節により異なるため現地確認を)。

岬の展望台からは、晴れた日にアシカの群れが岩礁に乗っているのが見えます。双眼鏡があると楽しめます。岬周辺の遊歩道は整備されていますが、強風時は転倒に注意してください。

強風がキャンピングカー車中泊に与える影響

えりも岬周辺での車中泊を検討するなら、風への備えは必須です。年間260日以上の「風の日」というのは実感しにくい数字ですが、現地に行くと「風がない日のほうがめずらしい」という感覚になります。キャンピングカーでの車中泊における具体的なリスクは以下の通りです。

  • 横風による車体の揺れ:キャブコンタイプ(背が高い車両)は横風を受けると就寝中でも揺れを感じます。車を風上側に対して斜めに駐車すると揺れを軽減できます。可能であれば建物・防風林の陰に駐車位置を選ぶことを優先してください。
  • ドアの開閉:突風時にスライドドアや後部ドアを開けると、風でドアが急激に全開になり蝶番やドアアームを傷めることがあります。ドアを開ける前に外の風向きと強さを確認し、体でドアを押さえながら開けましょう。
  • サイドオーニング:風速10m/s以上ではオーニングを出してはいけません。えりも岬周辺ではオーニングを使う場面はないと思っておくのが安全です。
  • テーブルや椅子などの外部設置物:屋外に出したものはすべて飛ばされる前提で行動してください。

風が強い夜は、無理に岬付近にとどまらず、様似町や広尾方面の比較的風の穏やかな場所に移動するという判断も有効です。天気予報アプリで「えりも町」の風速を事前に確認し、夜間予報で風速15m/s以上が見込まれる場合は場所を変えることを検討してください。

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百人浜・海沿いの車中泊/RVパーク・海鮮グルメ

えりも岬の東側に広がる「百人浜」は、全長約16kmの砂浜です。その名の由来は江戸時代の難破事故に遡ると言われ、静かで人が少ないビーチです。遊泳は禁止されていますが、砂浜の散歩や磯観察ができます。百人浜オートキャンプ場が隣接しており、キャンピングカーで利用できるサイトもあります(事前予約推奨)。

エリア内の車中泊スポット・RVパーク

日高〜えりもエリアは観光インフラが充実しているとは言えず、RVパークの数は限られます。以下のスポットを使ってください。

  • 道の駅 みついし(三石):新ひだか町にある道の駅。駐車場は24時間利用可能で、キャンピングカーの車中泊利用者が多いスポットです。温泉施設「みついし昆布温泉 蔵三」が隣接しており、入浴後に車に戻れる便利な立地です。ただし道の駅での長時間駐車・車中泊については施設のルールを事前確認してください。
  • 道の駅 うらかわ優駿ビレッジAERU:浦河町。道の駅に隣接する形で施設があります。
  • 百人浜オートキャンプ場:えりも町。電源サイトあり。シャワー施設あり。7〜8月は予約が埋まりやすいため早めに確認を。
  • 様似町のキャンプ場・駐車場:様似町営のウエンシリキャンプ場は山側に位置し、風の影響を受けにくい立地です。

日高昆布・つぶ貝・毛ガニ:ご当地海産物ガイド

日高地方の海産物は、昆布が筆頭格です。「日高昆布」は全国流通量の約6割を占め、だしが出やすく食べやすい昆布として全国の家庭で使われています。産地であるえりも町・様似町・浦河町では、浜に干された昆布の風景が夏の風物詩です。道の駅や地元の昆布店で購入できる昆布製品(だし昆布・塩昆布・昆布巻き・とろろ昆布など)は、産地価格で手に入るため、旅の土産として人気があります。

つぶ貝(エゾバイ科)は太平洋側の岩礁に多く生息し、日高沿岸でも水揚げがあります。醤油で煮付けたつぶの煮物や、つぶ刺しが地元の居酒屋・食堂で出てきます。毛ガニは春〜初夏に旬を迎え、浦河・様似の魚介市場や道の駅で活毛ガニや茹で毛ガニが購入できます。キャンピングカー旅であれば車内のシンクで茹でる、あるいは購入後に道の駅の休憩スペースで食べるというスタイルが現実的です。

えりも町内にある「えりも漁業協同組合 直売所」では、昆布製品のほか、時期によってはウニやサーモンなどの海産物も購入できます。開店時間が早い(午前8〜9時台)ことが多く、朝の出発前に立ち寄るのが効率的です。

食事処・立ち寄り飲食店

えりも岬周辺には食堂・土産物店が数軒集まっており、ウニ丼・海鮮丼・昆布ラーメンなどが食べられます。ランチ時は混雑するため、11時前の早めの入店か13時以降の訪問が待ち時間を減らします。静内・浦河の市街地には回転寿司・海鮮居酒屋・定食屋が揃っており、夜の食事には困りません。キャンピングカー旅では道の駅や漁協直売所で食材を調達し、車内調理するスタイルと、地元食堂で食べるスタイルを組み合わせるのが日高えりもルートの楽しみ方です。

新千歳/苫小牧発 日高えりも2泊3日ルート

新千歳空港でキャンピングカーを借り、えりも岬を回って新千歳に戻る2泊3日のモデルルートを示します。高速道路がない区間が長いため、1日の走行距離は120〜150km程度に抑えておくと余裕のある旅になります。夏休みシーズンの予約やルートプランについては北海道キャンピングカーレンタル|夏休みの予約・プラン・おすすめルート完全ガイドも使ってください。

1日目:新千歳空港 → 新ひだか町(静内)泊

  • 新千歳空港でキャンピングカーを受け取り(午前中)
  • 日高道を南下、日高富川ICで下りて国道235号へ
  • 新冠のサラブレッド銀座エリアで路肩停車・馬の鑑賞
  • 新ひだか町静内の「二十間道路桜並木」を走る(桜の時期以外も美しい緑のトンネル)
  • 道の駅みついしで昆布や土産物を購入
  • 静内市街の食堂で夕食
  • 道の駅みついし周辺またはキャンプ場で車中泊(走行距離:約120km)

2日目:静内 → えりも岬 → 百人浜泊

  • 朝:浦河の漁港・市場で毛ガニ・つぶ貝を購入
  • 優駿浪漫街道(浦河〜様似)を走りながら牧場風景と太平洋を満喫
  • 様似でエンルム岬に立ち寄り(15〜20分)
  • えりも岬到着、「風の館」見学(体験風洞は必見)
  • 展望台からアシカ観察
  • えりも岬周辺の食堂でウニ丼または海鮮丼(昼食)
  • 百人浜オートキャンプ場でチェックイン・車中泊(走行距離:約110km)

3日目:百人浜 → えりも漁協直売所 → 新千歳空港

  • 朝:えりも漁業協同組合直売所で昆布製品・海産物を購入(早朝から開いていることが多い)
  • 往路と同じ国道235号・日高道で新千歳方面へ北上
  • 途中、新冠の「レ・コード館」(レコード館:世界最大規模のレコードライブラリ)に立ち寄り
  • 苫小牧市内で給油・昼食
  • キャンピングカー返却・新千歳空港へ(走行距離:約200km)

3日間の総走行距離は約430kmです。高速区間(日高道・道央道)は1日目と3日目の新千歳〜日高富川間のみで、その他は一般道走行です。給油は苫小牧・静内・浦河に給油所があり、えりも町にもスタンドがありますが、様似〜えりも間は給油所が少ないため、浦河か様似で必ず満タンにしておいてください。

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よくある質問(FAQ)

新千歳空港からえりも岬まで何時間かかりますか?

休憩・観光なしの純粋な走行時間で約3時間30分〜4時間です。途中で牧場見学・食事・観光スポットに立ち寄ると半日〜1日かかります。高速道路は日高富川ICまでで、その先はすべて一般道(国道235号・336号)です。交通量は少ないですが、速度は低め(50〜60km/h区間が多い)です。

えりも岬でキャンピングカーの車中泊はできますか?

えりも岬の駐車場での車中泊は、施設管理上の観点から基本的に推奨されません。岬周辺で泊まるなら、百人浜オートキャンプ場(えりも町)を利用してください。また、前述のとおり岬周辺は強風のため、風速が高い夜間は様似や広尾方面への移動も検討してください。

日高地方の牧場を見学することはできますか?

日高地方の本格的なサラブレッド牧場は基本的に私有地のため、一般立ち入りはできません。道路から眺めるだけにしてください。公式に見学・体験ができる場所としては、苫小牧市の「ノーザンホースパーク」や浦河町の「うらかわ優駿ビレッジAERU」があります。牧場フェンスを越えたり、ゲートを開けての進入は防疫上・安全上の理由から絶対に行わないでください。

えりも岬周辺で給油はできますか?

えりも町内にガソリンスタンドはありますが、営業時間が限られています。様似〜えりも間は給油所が少ない区間です。必ず浦河か様似のスタンドで満タンにしてから南下してください。特にキャンピングカーは燃費が普通乗用車より低い(7〜10km/L程度)ため、余裕を持った給油計画がかなり大事です。

日高・えりもエリアのベストシーズンはいつですか?

6月〜9月が快適に走れる時期です。5月は桜(二十間道路)が見ごろですが気温が低い日があります。7〜8月は海産物(ウニ・毛ガニ・つぶ貝)が揃い、日照時間も長く最も充実した旅ができます。9月は昆布の収穫・干し場の風景が見られ、混雑も落ち着きます。10月以降は荒天リスクが増え、一部の道の駅・キャンプ場が閉鎖するため、事前確認が必要です。

えりも岬の強風はどのくらいですか?実際に行くと驚きますか?

年間を通じて風が強く、特に春〜夏でも風速10〜15m/sの日が多いです。風の館の体験風洞で秒速20m以上の風を体験すると、立っているのが大変になります。「台風の端にいるような感覚」と表現する人もいます。岬の遊歩道を歩くときは帽子が飛ばされます。カメラや眼鏡も風で扱いにくくなるため、準備してから岬に向かいましょう。一方でその強風とともに青空と太平洋の景色が広がる体験は、北海道でもえりも岬でしか味わえないものです。

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著者情報

コンテンツ作成日: 2026-07-10 / 最終更新日: 2026-07-14

執筆・監修: 北海道キャンピングカーレンタル事務局

確認方針: 公式情報優先 / 不明値は断定しない / 変更は順次更新

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